はじめに
当事務所は、2016年8月6日、静岡県総合社会福祉会館において改正社会福祉法の無料セミナーを開催し、静岡県内から多数の社会福祉法人の経営者にご参加いただきました。
この改正社会福祉法では公益性を担保するために財務規律が求められ、役員の責任や権限が明確にされるなど、既存の社会福祉法人にとりましては極めて厳しいものでした。
あれから既に7年が経過していますが、最近ではコロナ禍もあり、さらに物価高、人手不足で社会福祉法人の経営環境は益々厳しくなっていると思います。
改正社会福祉法の改正にあたりまして、老人ホームや介護保険施設を営む社会福祉法人には経営基盤の強化等が求められ、競争原理が導入されています。
決して多いとはいえない介護料や公的な補助金では職員の賃金のアップや人員を充実させて、よりきめ細やかなサービスを図ることは大変です。
社会福祉法人の経営の現況
こうした中で、各社会福祉法人の努力によって、静岡県内においては過去に大きな社会福祉法人の倒産は聞いていません。
しかしながら、これからは物価高、電気代やガス代の高騰、さらには、原材料費の高騰もあって、これらが社会福祉法人の経営を悪化させ、健全な収支のバランスを保つことができなくなる危険性があります。
又、昨今の人手不足は、社会福祉業界にとっても例外ではなく、人手が集まらず、そのことが原因となって思うようなサービスの提供ができないということも聞いております。
この中で、社会福祉法人の閉鎖や規模の縮小を考えている経営者の方々もいらっしゃることと思います。
債務超過に陥っている社会福祉法人は最悪の場合、静岡地方裁判所に自己破産の申立てをして債務の整理をする必要があります。
社会福祉法人の自己破産について
債務超過になり、負債の支払いができない場合、サービス利用者を他の介護施設に移ってもらった上で自己破産の申立てを静岡地方裁判所にする必要があります。
この場合、民事再生法による民事再生の申立ても考えられますが、社会福祉法人が会社のような営利組織と違い、静岡県の許認可を受けている法制度下では、その選択は極めて困難であると思います。
又、理事長である経営者個人が社会福祉法人の債務を連帯保証している場合、同じく静岡地方裁判所に自己破産の申立てをし、免責決定を得て債務の支払いを免れなければなりません。
この場合、経営者個人の財産は処分され、1からのスタートになります。
しかし、借金を残すよりも、この方法がベターだと思います。
社会福祉法人は社会に役立ち、経営者の功績も尋大なものであったはずです。
当事務所は、このような方々が一刻も早く人生の再スタートを切る必要があると考えます。
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