A建築土木会社が静岡地方裁判所から認可された再生計画に基づき、民事再生法上の終結の後、当事務所の関与により、その後の弁済が無事に終了した事案(2025年1月20日)
民事再生法による会社の再生計画の認可があったとしても、途中で計画された弁済が遅滞することもあり、自己破産の申立てをせざるを得ない場合も多々あります。
A社は、主として鉄骨の建築物を構築する、資本金3000万円の、静岡県中部地域の小規模な株式会社でしたが、それなりに営業は順調でした。
ところが、平成30年3月頃、静岡県内の会社を通じ、鹿児島県内の食品会社に、真空乾燥発酵機1台を5000万円で売却したところ、この機械に不具合があり、売買契約を解除され、損害賠償金を支払う羽目になり、さらに、平成30年11月に、神奈川県内の商事会社に同じく真空乾燥発酵機を1億2000万円で売却したところ、同社から売買代金が回収できず、一挙に合計1億7000万円の債務を抱え、メインバンクからも融資を断られ、債権者に対する支払いができなくなったものです。
A社の代表者は、手持ちの資金で何とかやりくりをしてきましたが、約束手形2876万円余の決済の目途が立たず、当事務所に依頼し、令和2年2月、静岡地方裁判所に再生手続開始の申立てをしました。
自己破産をすれば、約11%の配当しかできませんでしたが、再生では40%の配当ができるものとして、債権者に対し、債権額の40%を配当し、その余の60%の免除を受けたいとして、本申立てをしたものです。
因みに、A社の負債は、約4億2000万円でした。
A社は、コロナ禍の中で、社員と経営者の家族が協力し、幸いにも有力取引先や地元の会社が鉄骨工事を依頼してくれたので、苦しい中でも、再生計画に予定された5年間にわたる分割弁済が完了し、静岡地方裁判所で認可された再生計画を、昨年12月末に遂行することができたものです。
過去に、旧和議法の時代を含め、会社の再生を取り扱ってきた当事務所としても、何とか監督をできたものとして、安堵している次第です。
再生計画の遂行は、経営者を始め、その家族、従業員の協力が必要ですが、A社はそれができた数少ない会社の1つとして、賞賛に値するものです。
毎日の経営に苦しんでいる経営者の方々は、設立50年を超える当事務所にご相談いただければ、いくらか気が楽になると思います。
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